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ボクラ団義SFコメディ「ゴーストライターズ!!」まえのん&京佳も大活躍
企画演劇集団ボクラ団義のSFコメディ舞台「ゴーストライターズ!!」(2月28日~3月9日・新宿SPACE107)が初日を迎え、早くも好評だ。ボクラ団義は2007年12月の旗揚げ以来、都内を中心に活動する演劇集団で、作・演出の久保田唱と俳優・沖野晃司が主宰を務める。同舞台は2011年4月に第8回公演として発表されたもので、この時、劇団初の大阪公演も実現。再演希望の声が関東でも関西でも常に上位にあるという人気演目だ。
フライヤーには”時代交錯型超エンターテイメント舞台劇!!”と謳われている。志半ばで亡くなった政治家でもある小説家とその小説を取り巻く予測不可能なストーリーが、シリアスとコメディが絶妙なバランスで溶け込んだ演出によってダイナミックに繰り広げられる。そしてラストには、まるで映画のような驚きが待ち受けており、センスを感じさせる。
また、今回はWキャストとして、「前田希美編」と「團遙香編」がある。前者は、”まえのん”の愛称で親しまれるファッションモデルで女優の前田希美とアイドルグループ「夢みるアドレセンス」の最年少メンバーとして人気の京佳が出演。後者は、ドラマに映画にCMに活躍中の女優・團遙香とアイドルグループ「Be Flourish」のメンバーである高山璃奈が出演している。
そして京佳、高山にはソロでの歌唱シーンという大きな見せ場がある。それぞれ入れ替えスペシャル回などもあるので、詳しくは公式サイトでチェックして欲しい。
私は前田希美編のゲネプロを取材したのだが、約2時間半という上演時間を聞いて、最初は「長いな。話が持つのかな」と心配した。しかし、それは杞憂にすぎなかった。掛け値なしに、2時間半が”あっという間”だったのだ。舞台取材の場合、劇団との話し合いやスケジュールの都合がつけば、撮影とは別に観劇日をもうけることもあるのだが、なかなか理想通りには行かず、撮影と観劇を兼ねるケースも少なくない。その場合、カメラの目線に徹することで、俳優の細かな演技や衣裳、演出面のディテールを見逃さないといった利点がある。反面、舞台全体を見渡すことがなかなか出来ず、撮影に集中し始めるとセリフも耳に入らなくなってしまう。その結果、取材をするにはしたが、今ひとつ物語自体を把握しきれていない……ということがままあるのだ。そういう場合は、日をあらためて観劇に行くなり、同じ公演の過去の映像があればそれを見て補完したりするしかない。
ところが「ゴーストライターズ!!」は物語も舞台の全体像もスッと頭に入って、取材後も鮮明に記憶に残っている。物語にメリハリがしっかりついていて、セリフも展開もわかりやすいからだ。「動」の場面と、「静」の場面とのメリハリがしっかりついているほど、カメラから目を外せるタイミングも増える。自然と、舞台全体を見渡す時間も増える。セリフがわかりやすいということは、ほとんどの場合、ストーリーの流れがわかりやすいということにもつながってくる。エンターテインメントにとっては、欠くべからざる要素だろう。ボクラ団義の舞台が毎公演人気を博しているという裏側には、このメリハリの妙味があるのではないか。
手に汗握る展開アリ、感動の場面アリ、笑いと涙はもちろんアリアリ、思わずニヤッとさせられる裏切りアリと……楽しい作品に仕上がっている。実は今回、ストーリーの性質上、ネタバレを避けねばならないために、書けないこと・見せられない写真があり過ぎて、記事を書きながらとても困っている(笑)。千秋楽後にでも機会があったら追加したいところだが、観て損のない作品であることはもちろん、観ないと損をする作品であることを証しておきたい。
【公式サイト】http://www.bokudan.com/
【公式ブログ】http://ameblo.jp/bokura-dangi/