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芸能記者(ペン&カメラ) 志和浩司

「ロミミ」千秋楽…出来ることなら何公演も観たかった!

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はちみつシアター2年ぶりの本公演「ロミミ」(作・演出:巣鴨五反田、6月25日~29日・テアトルBONBON)は、文句なしに面白く、そして温かかった。はちみつらしく、ラストのライブショーに向けて一連の芝居が流れて行くエンターテインメントだ。定評ある衣裳の数々も、見事に華を添えている。

2年ぶりの本公演ということは、いつ頃発想した舞台なのだろうか。超絶エンターテインメント性の高い舞台ながら、フライヤーに躍った「絶対に、忘れちゃいけないことがある」とのコピーが根底にあるテーマを物語っている。「ロミミ」には、東日本大震災の犠牲者への哀悼の気持ちが込められていたのだ。まさかと思ったが、主人公アラヤン(若尾桂子)とは、震災の津波で亡くなった人物だったのだ。失われた命、取り返すことの出来ない時間の尊さ。開演前の陰アナ(氏家康介)が「演劇だからといって肩肘を張らずに見て欲しい」と念を押すように語っていたが、それは作品のテーマにふれやすくさせるための実に効果的な導入になっていた。まさに肩肘を張らずに楽しむエンターテインメントだからこそ伝えられる悲しさだったり、やるせなさだったり、儚さだったり、切なさだったり、というものもある。真面目なこと、重要なことを伝えるのに、何もシリアスなスタイルだけが有効なわけではない。さんざん笑えたからこそ、悲しさにもしんみりと感情移入出来る面もある。笑うと真面目にものを考えられなくなる人がいるのと同じく、笑わないと真面目にものを考えられない人もいるのだ。良質なエンターテインメントは必ず、シリアスな部分を内包しているものだ。

とはいえ「ロミミ」は9割方、楽しさから成り立っている。ただでさえ個性際立つはちみつシアターの面々に加え、集まった客演キャスト陣がまた個性豊かだ。

はちみつ初の試み、客演にして主演、若尾桂子の、まあ~可愛いこと! 大人の女性の可愛さに、つい見惚れてしまった。実際には、かなり思い切って崩した表情をたくさん見せてくれるのだが、それがかえって可愛い。地味なOL姿も可愛い顔が映えるが、歌とダンスのパフォーマンスで見せるアラビアの花嫁風の赤いダンス衣裳も華やかでとても良く似合っていた。

関口春菜は、前年5月にアリスインプロジェクトとはちみつシアターがコラボしたコメディ「チェンジング★ホテル」が舞台デビューだったはずだが、たった一年でこんなに進化したのか、とビックリさせられた。選んでいる舞台がいいのだろうか、着実に演技力が身についている。スラリとしたプロポーション、小さな顔。そして、性格の良さが表れている笑顔。「チェンジング~」の時、稽古場で初めて見て思わず一目惚れしてしまった。もともと典型的なモデルタイプの美しさが、今回の魔人役では魔人というより女神のような衣裳で引き立っていた。

高田あゆみは、キャナァーリ倶楽部結成時より芸能ニュースで何度も取材しているが、近年、活躍の主戦場としている舞台で、女優としてグングン磨かれてきた。その一挙手一投足を見ているだけで気持ちが楽しく弾んでしまうのは、スター性の高さの証。本当に表情が豊か。顔だけじゃなく、全身が表情になっているのだ。キャスト表にこの人の名前があるだけで、何かワクワクしてしまう。

岡野里咲と木村若菜は、実は4月に「私立ルドビコ女学院 最凶ガール」で見たばかり。岡野は昨秋、アリスインプロジェクトの「名探偵はじめました!」にもダブルキャストで出演、もともと可愛いし、存在感のある人だ。ゴブレイプロジェクトでもおなじみ。さらに、「新耳袋3」では顔に血糊を塗りたくっての熱演もあった。なんだかんだで岡野の舞台は、以前から数えるとかなり観ている計算になる。「ロミミ」では、頭が良くて努力家なのにバカっぽさもあるという役どころを演じていた。

木村若菜は、”舞台女優”であることを前面に掲げ、これまで多彩な舞台に出演してきた人だ。涼しげなルックスで、一見すると物静かな人に見えるが、こういうタイプの女優は実はとてつもない闘志とエネルギーの持ち主であることが多い。「ロミミ」でも、個性派揃いの他のキャストに負けてはならぬという意気込みを随所に感じた。

のもとあきは、大変、魅力的な女優だ。顔のつくりはどこからどう見ても日本人なのに、どこかエキゾチックなムードがある。「ロミミ」は、冒頭に書いた通りラストのショーに向かって一連の芝居が流れて行くはちみつシアターらしい作品だが、芝居であって、ある意味それ以上にショーである。のもとは、はちみつ常連だけあって、リズムの速いショーの中で確かな演技を見せ、見事に溶けこんでいた。

山本陽子は、OLとして働く日常の世界と、魔人が連れて行く世界では、まるきり別人のような振り幅を見せてくれた。稽古場取材から見せてくれた迫力と思い切りの良さは、まわりのキャストにも大受けしていたほど。のもと同様、はちみつではおなじみで、2007年8月の「ブリテリ・マイルーラ」のキャスト表から名前を発見できる。

馬渕史香は、登場するOLの中で一番エロっぽい役どころということだが、そこはかとなくエロスが出ていた。そしてエロの中に垣間見える素の馬渕が、しっかり良かった。一輪の花のようなキュートな女優だ。しばらく見とれて、表情を追ってしまった。リジッター企画の主宰でもあり、8月の「ミロウのヴィーナス」も必見だ。ちなみにリジッター企画とは、岐阜・名古屋でともに活動していた馬渕と中島庸介(脚本・演出)によって結成、2011年に舞踏家・森脇洋平(身体演出)が参加し現在の作風に至った。舞台でしかできない表現にこだわっているという。

鶴田葵は、1991年11月生まれの22歳、「ロミミ」ではなんと最年少キャストということになる。2013年5月の「チェンジング★ホテル」でご一緒してから、気になる女優だ。優秀なOL役なのだが、頭のいい人ならではの風変わりな面というのがよく表現されていたし、何より楽しそうに演じていた。ダブルダッチに挑んだ際の真剣な素の表情がまた、可愛かった。

はちみつシアター+ゲスト出演者、これだけの素敵なキャストが客席をも巻き込んで約2時間半のエンターテインメント空間をつくった。最後のMC、出来れば一年間ずっとこの公演をやっていたいとの言葉に、客席から大きな拍手が起きた。私も、今回スケジュールが許さず週末のソワレしか観ていないのだが、出来ることなら何公演も観てみたかった。

その気持ちは、次回のはちみつシアターにぶつけたい。ロイヤルでミラクルなミッション!素敵な極上のエンターテインメントに感謝。

 

【公演内容】

この作品は、願いが必ず叶います…

一生懸命、真っ直ぐさしか取り柄のない主人公のOLは、はっきりいって超不器用。
靴紐を結べば、必ず縦結びになるし。ストッキングをはけば、伸ばしすぎて電線。

もちろん会社でも、彼女の仕事はミスばかり…
いい加減、自分の不器用さに嫌気をさして訪れた、ある日の給湯室。
お茶汲みをしても失敗する彼女が、ポットに手をやったその時…
ポットからは光と煙が溢れだし…それとともに魔人が現れたのです!!
あり得ない状況に驚く彼女!
話かけてきた、魔人を真っ直ぐに見ることしかできません。

「お前の願いを、叶えてやろう…」

そう、いつものミスは、いつもと違う奇跡を彼女に起こしたのです!!
果たして、彼女の願いとは?
一体、魔人はなぜあらわれたのか?

不器用な人も、器用な人も、毎日をどこかつまらないと感じている人も…
全ての皆様に、暖かさと笑顔を届けるスペシャルファンタジー!!
社会人のあるあると夢のようなお話が、はちみつシアターだからこそできたOLアドベンチャー!!

彼女の不器用さを共に笑い飛ばしていきましょう!!

「ちょっと、おしっこもらしちゃった…」

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