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芸能記者(ペン&カメラ) 志和浩司

戦国降臨GIRL

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20121221_sengokugirl文/志和浩司

「戦国降臨GIRL」を観てきた。天の組、武の組に分かれていて、私が観たのは天の組。1時間20分前後、とにかく、めくるめくシーンが転換し、ひっきりなしにアイドル(女子のみ!)が登場する。まだ公演期間中なのでネタバレになるようなことは書けないが、武将が降臨するたび、K-1風のコールが入るのもアクセントがついて面白い。コレクションボックスをひっくり返して、中におさまっていたキュートなフィギュアが次々と出てきてしまうような、もうこれはアイドル快速大活劇。中には演技初体験という子も何人かいるのだが、違和感なくバランスを崩すこともなく舞台が成立していた。

これはキャストで引っ張る舞台なので、初日前に媒体でインタビューしたキャストを中心にふれてみたい。

福岡発ロック系アイドルユニット『青SHUN学園』 出席番号 2番かれんれんこと、桜衣かれん。舞台女優になるのが夢で、小学生の頃から稽古をしていたのが、最近はアイドル業が忙しく舞台から離れていたという。この日は、アイドルの武器である笑顔をほとんど封印し、凛とした表情が逆に魅力的だったしサマにもなっていた。制服のブラウスの白がよく似合うのは、清潔感のある証拠。彼女、思い切りツンデレな女の子をやらせたら結構ツボにはまる人が続出するんじゃなかろうか。

栞菜はメジャーなアイドルグループにいたことがあるわけで、なんでも出来て当たり前みたいな観る側の期待を常に背負っている。これはサッカーの試合をいきなり1点ビハインドで始めるようなもので、プレッシャーは大きいのでは。ただ、それを自然体で担う度量の大きさも感じさせてくれるのはさすが。前述のインタビューでも「ほかの劇団のお芝居に負けないクオリティーにしたい」「そういう感覚で観に来ていただけたら」とまっすぐブレることのないまなざしで、きっぱり言い放った。彼女は文句なく目立つ。ルックスの良さはもちろんあるし、以前から見慣れているというのもある。しかし、だから目立つというわけではない。ちょっとした顔の角度や目線の向け方にしても、実に堂に入っているのだ。経験だけが成せるワザだ。あと、後半のエア○○○○はすごかった!

そんな栞菜にあこがれているという船岡咲は、これだけたくさんのアイドルがそろう中で、自分というものを自然体で表現していた。すべてが押し付けがましくないのだ。それだけにともすれば埋もれて目立たなくなってしまうリスクもあるが、この舞台ではしっかり自分が出せていたように感じた。演技はちゃんとやり始めてまだ一年とのことだから、今度はもう少し大きな役で観てみたい。発声は意識して努力を重ねてきたようだが、声はよく出ていたと思う。

織田信長を演じたのは、階戸瑠李。史実に基づいた時代劇ではなく、アイドル活劇なので、信長と言ってもこの舞台独自の解釈による信長だが、降臨してくる武将の中で最強の存在。それゆえ、衣装も一番華やかで目立つ。階戸はしかし、グラビアでしっかりした表現力を身につけているのだろう、衣装にも役柄にも負けずに自分の色を出していたのが見事だ。こんなに色っぽくて美しい信長、前代未聞。その美しさたるや、戦場に咲いた一輪の花のごとし。あまり役に入りすぎて強すぎる信長を演じてしまうのは、階戸にとって必ずしもプラスとは言えないだろう。その点、強さの中にもどこか線の細さを残していた、その残し方のさじ加減が意識的なのか無意識的なのかは別として絶妙のバランスだ。

小玉百夏は、実は今回私が一番オススメしたい女優だ。独眼流伊達政宗。役をしっかりつかんでいるし、それをちゃんと形に出せているようだ。他のキャストが出せていないわけではないが、恐らく、役作りに相当なエネルギーを割いたのでは。ひたすら慣れているアクションで見せることへ逃げず、あくまで伊達政宗としての役作りあってのアクションになっていた。本格的な演技はこれが初めてというが、それであるなら、なおさら次の舞台も観てみたい。まったくの想像だが、本番に向けてのテンションの上げ方がすごくうまい人なのではないか。アクションはさすが、際立っていた。やられっぷりも良かった(笑)。

びっくりしたのは、武田信玄を演じた安藤彩華。今年、「MOSH」で何度か舞台を観ていて、いい女優さんだなぁと思っていたので、いきなり信玄として飛び出てきたときには度肝を抜かれた。と同時に、「MOSH」では観れない安藤彩華を観ることが出来てよかった、と思った。芝居がしっかりしているのは言うに及ばず、ヘソ出しのセクシーな衣装が階戸信長とはまた別の意味で、舞台に艶を与えている。この、信長と信玄のコントラストはこの舞台の衣装面における見事な部分だ。陰(信玄・モノトーン)と陽(信長・カラフル)だが、ともにセクシーなのだ。やたらセクシー、セクシー言っていると単なるエロオヤジじゃねぇかと誤解されてしまうのでこの辺にしたいが(いや別にもうエロオヤジでも何でもいいんだが)、実際の舞台ではセクシーは二の次で、それよりもはるかにガツンと来るのが、信玄のド迫力だ。とにかく安藤が芝居場に躍り出ると、場の空気が一変してしまう。女優だ。

他にも中村まい、中村裕香里、新名杏梨、北山亜莉沙、堀高エミリなどなど、目をひかれるキャスト続々。何よりこれだけのアイドルを、それぞれの個性をころさずにひとつの世界観に束ねる演出が見事だ。

そうそう、あと一人だけ言及しておきたい。鍵谷まみのケロちゃんには、癒された。バクステで会った子は、なんだかホッと安心させてくれるね。

クリスマスに、いいプレゼントをもらった気にさせてくれる舞台。

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Written by 志和浩司

2012/12/21 @ 10:42 am

カテゴリー: アイドル, 演劇

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